林道三昧 安倍峠・山伏峠

きっかけは、フェミナ秋の親睦会から帰って来た2~3日後に静岡新聞夕刊一面に載っていた写真。...みごとな紅葉、この間新穂高で見てきたみたいな。読んでみると、「安倍峠」だとか。

安倍峠といえば、いつも朝練で行く梅ヶ島のちょっと先。「林道チックな道なので、オフで行くと楽しいよ」と以前から聞いていた。
...ま、モンスターでは大変だろうけどD-トラで行くなら全然問題ないでしょう。新穂高ではゆっくり紅葉狩りも楽しめなかったから、ちょっと行ってみようかな。

マップルをめくってみた。(中部北陸 42)
そのまま引き返してくる気はさらさらないので、山梨・身延に出る。スピードが楽しめないバイクだから、R52で帰ってくるのはストレス。安倍峠の横に、「山伏峠・県境の2000mを超える峠・南アルプスの展望が素晴らしい」と赤字であるじゃないですか。
「ゲートで通行止めになること多いので注意」はネットで調べたら、現在通行止めなし。「舗装を挟み断続的なダート8km」はD-トラならどうにかなるでしょ。
ということで、「安倍峠-R52-山伏峠」決定。井川湖畔に出るけど、そこからはまだ未踏のライン、口坂本経由(県道27)で帰ろう。安倍峠・山伏峠・口坂本、3倍おいしいぞ!!

11月3日文化の日。
9時ころ出発。途中、GSで給油。
梅ヶ島まで、そこそこクルマが出ていた。早朝ではないし、紅葉狩りシーズンだからしかたない。

DSC_0107.jpg←梅ヶ島・黄金の湯到着。
トイレ休憩のあと「さて、行こう」とメットを被ろうとしていたら、隣に停まっていたピンクナンバーのアプリリアとモンスターエネルギーのス テッカーを張ったKLXのお兄さんに「めずらしいですね」と声を掛けたれた。・・・わたしじゃなくて、バイク、ね。春に新発売になったばかりのD-トラ 125なので。KLXとは兄弟車。安倍峠に行くと話したら、お兄さんたちもそうだとのこと。「途中、倒れていたら助けてね」と頼んで先に出発。

DSC_0124.jpgここからは未知の道。
しかーし、シーズンだけあって、クルマが多い。
渋滞とまではいかないけど、Pスペースにはクルマが停まり、カメラ片手の人がうろうろしている。
結構人だかりができている場所、何かあるのかな?と停車。しばし、紅葉撮影をしていたら、滝があった。だから人だかりができていたんだ。滝も撮影。たぶん、「安倍の大滝」、あんまり大きくなかったけど。 →

ここで、先ほどのお兄さんたちのバイクが追い越して行った。KLXは軽々だったけど、アプリリアはかなり吹かして、必死で登っていた。
ハーレー集団も。隼を先頭に5~6台のツーリングチームも。とにかくクルマと人が多くて、自分のペースで走れない。すれ違いで停まったりするので、坂道発進必須。ストレスが貯まるので、休日はこういうバイクでは来ない方がいいと思った。

DSC_0111.jpg紅葉は見ごと。新穂高では、遠くから紅葉した山を眺めるって感じだったけど、ここでは紅葉の中を縫って走る。手を伸ばせば届く、そんな感じ。
なんども、「きれーーーーい」とメットの中で叫んでいた。

峠を越えて下り道。
あるスポットで、クルマが何台も路駐して、ガードレール沿ってカメラをセットしたおじさんが何人も。それはそれは異様な光景だったので、何かあるの?と停まってみた。
DSC_0134.jpg遠く向こうに、山梨の街。視線を上に向けて、ようやくわかった!! 雲の向こうに、富士山のアタマが見える!!

行きのR1で見た富士山、頭の先っちょに雪を乗せていた。あのおじさんたちは、雲が切れるのをじっと待っているんだ。...そんな時間がないわたしは、雲の向こうにちらっと見える富士山でヨシとする。

林道を下り終わって、しばらく走るとR52。もう普通の道路なので、快走できます。
DSC_0146.jpgR52を左折、道の駅富士川クラフトパークへ。駐車場に入るも、駐輪スペースが見当たらない。高速SA・PAに比べると、二輪に対する配慮が少ないといつも思う。
DSC_0140.jpgここでお昼。
「牛よりうまい馬丼」、\800。 →

安倍峠を越える梅ヶ島林道は、オンバイクでも大丈夫。でも坂道発進必須で、大型では辛いかも。(特に休日)
冬期閉鎖は、今年は12月11日から。


休憩後、マップルと携帯で場所を確認して道の駅富士川クラフトパークを出発。
これからの山道のため、少し戻って給油、県道37号通称「南アルプス街道」を雨畑湖に向かって走る。途中GSがあったけど、休日休業。やっぱり戻っても給油しておいてヨカッタ。

途中青看板に「雨畑湖」で、左折。県道810へ入る。
一車線の短いトンネルをいくつか越えると、池のような...雨畑湖に出た。対向車もなく、静か、不気味。写真を撮ろうかとも思ったけど、停まっていると湖から半魚人が出てきそうだったので、ヤメた。ただただ湖畔を走る。
途中看板もなく、白いガードレールを目印に走り続けた。途中、民家があるのには驚いた。道端に墓地もあった。そうこうしているうちに、県道37で 写真を撮っていたときに追い越して行ったダンプが、轟轟と音を立てて山道を登っていた。追越できる道幅はないし、どうしたものかと思っていたら、幅広に なったコーナーで左ウインカーを出して寄せてくれた。「ラッキ~、ありがとう」と追い越そうと右に出たら、これまたダンプがインを突いて下ってきた!!  びっくりして、フルブレーキ。スピードが出てなかったのが救い。でもバランスを崩して、倒れそうになった。とにかく、ぐっと堪えた...ら、どうにか転ばずに 済んだけど、エンスト。
深呼吸してエンジンを掛け、道を開けるためにバックしながら坂を上って戻るダンプについて、コーナーを登り、どうにかクリア。...軽い車体のD-トラで、ホントにヨカッタ!!と心から思った。

道路は登れば登るほど、荒れてきた。落石だらけの場所も。だんだん山深くなっていったところ、突然道路工事中に差し掛かる。停まれの標識もなく、 交通整理のおじさんもいないので、そろそろと走って行った。要するに、「俺らは工事してるから、邪魔にならないよう抜けてって」ということらしい。コー ナーでパワーショベルが作業していて、未舗装の上ラインが取れなくて、途中で立ち往生してしまった。両足を着きながら、半クラで少しづつ前に進む。工事区 間のラストは、未舗装で上下にうねった道。クリアできるかどうか不安で、ここでも立ち止まってしまった。対向車のランクルが走り去り、脇のパワーショベル のお兄ちゃんは作業を止めて待っていてくれる。行くしかない。まっすぐ前だけを見て発進。すべることもなく、どうにか通過。この工事区間、数百mあったと 思う。

DSC_0156.jpgその後、凄い路面のオンパレード。
「ガレた」というのは、こういうことを指すんだと実感する路面。腐葉土化した落ち葉。崩れたアスファルトに落ち葉が溜まり、水たまりにもなっている。先日の台風の雨の水?路面を流れる水が、沢みたい。タイヤを取られないことだけを考えて走る。
余りのすごさに不安にもなったけど、ここまで来たら、もう戻れない。...あの未舗装工事中をまた通らなくちゃならなくなるし、あのダンプともまたすれ違うかも。
とにかく走りだしたんだから、進むしかない。走らないと、家に帰られない。
DSC_0163.jpgこんな道なので、訪れる人も少ないでしょう。手つかずの自然、紅葉も実にみごと、美しすぎるくらい。安倍峠より、見ごたえがあると感じた。(苦労して来てるから?)
頂上近くにキャンプ場の看板があったので、バイクを止めようと近づいたら、「熊出没注意」の看板もあったので、慌てて元に戻る。そこから山伏峠までは、バイクを止めず、走る、走る、走る。登る、登る、登る。

山を見上げると、美しい紅葉の隙間に白いガードレールが見える。...随分高いところに見えるけど、きっとこの道を走って行くとあそこまで上るんだな、一本道 だし。あんまり見ると「えー、あんなところまで走るのー」とプレッシャーになるので、なるべく上は見ないようにして走る。

DSC_0164.jpg
とうとう、山頂。ゲートがあり、「林道・雨畑線 終点」の看板。
「終点」って...、なんにも終わってないよ、いまから下りの始まりじゃん!!
一気に視界が開けて、山のてっぺんなんだなという雰囲気満々。暫し、撮影タイム。でも熊が出たら怖いので、エンジンは切らない。


DSC_0167.jpg標高2000m越えからの眺め。


静岡側に出て、視界にすごい急勾配の白いガードレールが見える。...やっぱり、あのスゴイ下り坂を走らないと家に帰れないんだな。心細くなるので、視界のガードレールは見ない振り。
こちらもかなりガレた路面、水が溢れて沢状態路面がありましたが、未舗装路が続く...という場所なし。紅葉も、かなり終わりかけている印象でした。
ようやく青看板に「畑薙・井川」、左折で県道60・南アルプス公園線で井川湖畔を走行。4時を回り、夕暮れのムード。日が暮れる前に、里に出たい。
静岡方面と千頭方面の分岐点で、どちら経由が早いか思案。携帯のマップ機能で検索したら、県道27・口坂本経由が表示された。77km、2時間22分。2時間以上かぁ...。

余談ですが、以前同じポイントでi-Phoneで同じことをしようとしたけど、圏外で使えなかった。Xperiaは電波状態良好、3本立ってる。さすが、docomo!!

DSC_0170.jpg気を取り直して、井川ダム方面へ。
後ろのセダンに煽られて、前のクルマに必死について走る。こういうとき、やり過ごせない性格なので、覆面パトにつかまったりするんだよな。
口坂本方面に入るところに、煌煌と「通行止め・路肩崩れのため・大日峠-口坂本」...ダメじゃん。春のフェミナ寸又峡ツーのメンバーツーレポ読んで、是非走りたい!と思っていたコースだったけど、通行止めなら諦めるしかない。

またまた気を取り直して、井川ダム方面に戻る。
林の中のコーナーに入ると、前方にシカの群れが!! 立派な角の鹿が数頭、すくっと立ってこちらを見ている。逃げない。突っ込むわけにもいかないので、クラクションを数回鳴らしたら、左の林からまた2頭くら い飛び跳ねて出てきて、そのまま全頭右の林に消えてくれた。...クマでなくて、よかった。
山の向こうは明るいけど、山陰の辺りはどんどん暗くなってきた。ライトをハイビームにして、接岨峡、長島ダムと激走(のつもり)。千頭の道の駅 「音戯の郷」でトイレ休憩。だれもいない。お昼以来ゆっくり停まることもなかったので、立ったままだったけど、持ってきた水筒のホットティー(だいぶぬる くなっていたけど)、パンを齧る。
この先の道はそこそこなじみの道なので、どっぷり日が暮れてもそんなに不安はない。「あと一踏ん張り」、クルマの群れに沿って下っていった。

川根温泉の近くのGSで給油。
店員のお兄さんがわたしのバイクを覗き込んでいるので、「春に出たバイクですよ」と声を掛けた。ついでに黙っていられなくて「今日は、安倍峠から 身延に出て、雨畑林道を抜けて山伏峠を越えて、井川からこちらに降りてきたの」と話したら、「僕も前にカブで安倍峠越えたんですけど、雨畑は通れるかどう かわからないし、ガス欠になってもイヤだから、ヤメたんですよ。雨畑、通れました?」
「通れた、というより、通ってきた、って感じ。このバイク、燃費いいから身延で給油したあとここまでランプもつかないで来れたんですよ」と自慢。「へぇ~~」と感心するお兄さんをみて、満足。

家山で大井川を渡り、県道64を南下。藤枝バイパスは125ccは通行不可なのでR1バイパスには上がらず、下道をトコトコと家を目指す。

無事帰宅、午後7時すぎ、真っ暗。林道、未舗装路、沢(?)と走り続けたので、バイクは泥だらけ。洗車は明日。

山に行くから、温かい飲み物、貼るカイロ大・小、フットカバー、カッパと用意。山の中でかなり指先が冷えたので、冬用グローブは持って行った方がよかったな。
総走行距離 267km。距離の割には、中身の詰まった走りだった。
無事に帰ってきたからこそ言える、「楽しかった」。
でもまた行くかと言うと、安倍峠はYESだけど、山伏峠は「...(考える)」です。
山伏峠は、オフ車系でないとかなりキツイ。コーナーがきついとかではなく、とにかく路面がキツイ。オフ車乗りの人って、すごい、尊敬します。

で、オフ車乗りでもないのに、ずいぶんがんばってしまった。
ていうか、走り始めちゃったから、がんばって走らないと、うちに戻れない。帰宅地あってのツーリング、です。

DSC_0175.jpg翌日、洗車。
D-トラの洗車は、初めてでした。(でへっ)


2010.11.08 記








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最終更新日

April 4, 2017 01:13 AM