since Oct. 1999



読書徒然 My favorite books
好きな作家は森瑤子、山田詠美。
悲しいことに森瑤子は他界し、もう新しい作品を読むことはできない。山田詠美はあんまり頻繁に書かない作家。
他に共鳴できる作家を捜しているんだけど、なかなか・・・。


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I've read...
姫君 国家の品格 藤原正彦

どうしてこんなことが起こるんだろう?という事件が続発する今の日本、わが母国。日本人としてこれからどうしたらよいか、こうすればいいのかもしれないとちょっと希望が持てたような。(でも、その希望もいつまで続くのか…)
姫君 姫君 山田 詠美

出かけた先での時間つぶしに図書館で選んだ一冊。こういうときは、山田詠美に限る。おかげさまで、3時間弱で読みきりました。しっかし、本名にもなっている「姫君」には泣けました。
「死は生を引き立てる。生は死を引き立てる。」つい最近、知人の死によって感じたことと同じことを、作者が「あとがき」で述べていた。「ランダの歌留多」(太宰治)も読みたかったけど、空調が寒すぎて断念しました。寒すぎます、東習志野図書館
スピリチュアル・ヒーリング―宇宙に満ちる愛のエネルギー スピリチュアル・ヒーリング―宇宙に満ちる愛のエネルギー ベティ シャイン, 中村 正明

肯定的な態度を志向し心を広げる(心のエネルギーを高める)と、この現実界の背後にある、目に見えない広大な世界にある無尽蔵のエネルギーの貯水池から、エネルギーをくみ出すことが出来る。 肯定的な態度と成功、否定的な態度と失敗には、どう見ても明確な繋がりがあって、この点に極めて重要な真理がある。
 
人生は廻る輪のように 人生は廻る輪のように
エリザベス キューブラー・ロス, Elisabeth K¨ubler‐Ross, 上野 圭一 The Wheel of Life/Elizabeth Kubler-Ross

年賀状に前年印象に残った映画や本などを報告しているのだけれど、今年は「モリー先生との火曜日」を挙げたらある友達が「この本も是非」と勧めてくれた。最近食指を動かされるような本がないと思っていたので、早速図書館から借りてきて読み始めたら、次から次へと感動の嵐。何度も涙で活字がかすんでしまって困った。
まだ末期医療、ターミナルケアとか命の尊厳とかが認識されていない時代・・・よく考えてみるとそんなに昔の話じゃないんだよね。ちょっと前までは「死」は医療から見ると敗北でしかなかった。だから医師も死ぬ ことを大事に取り扱わなかった。極力目を逸らしたい事項だった。でも死んでいく患者に取っては、絶対避けられないことであり、一番大切にしてもらいたいことなのだ。
死に対する医療現場の対応の悪さと戦いながら、著者は命・魂の在り方に気が付く。「地球に生まれてきて、あたえられた宿題を全部済ませたら、もう、からだを脱ぎ捨ててもいいのよ。からだはそこから蝶が飛び立つさなぎみたいに、魂をつつんでいる殻なの。」これは不治の病に冒され死を迎えようとする子供に母親が言った言葉なんだそう。鏡に映る自分の姿を見て外見と内側(精神的なところ)とが別 物だって感じたことあるのは、わたしだけでしょうか。「ふーん、これがわたしなんだ・・・。」って感じたことは、自分の肉体に「さなぎ」を感じたということではないかな。
著者はチャネリングによって守護霊などと交信できるようになった、とあるけど、これはきっと右脳を使えば出来ることだと思う。エジプトのピラミッドが出来た頃の人間は、現在と違って脳みそを全開で使っていたからあれだけの巨大建築物をつくることが出来たんだとわたしは信じて(?)いる。しかし、いつの間にか人間は脳の数%しか使えなくなってしまった。これは人間の限りない繁栄を恐れた誰かの仕業だと思う。
わたしが去年感じた「人生に無駄はない」というようなことも述べているし、「地球に生まれた人間が授かった最高の贈り物は自由な選択」「期待されていることではなく、自分がいいと思ったことをやるだけ」などなど、励まされる文章がそこここにちりばめてあった。
「いのちの唯一の目的は成長することにある。究極の学びは、無条件に愛し、愛される方法を身につけることである。」・・・やっぱり「愛」なのね。そう「愛」なのよ。
モリー先生との火曜日 モリー先生との火曜日
ミッチ アルボム, Mitch Albom, 別宮 貞徳

偶然テレビで恩師を見かける。十何年もの空白の後、その老恩師は不治の病に冒されていた。死ぬ ために生きている。そして再会の言葉が「やっともどってきてくれたね。」
モリー先生が死を目の前にして行き着いたことは、「人生で一番大切なことは、愛をどうやって外に出すか、どうやって中に受け入れるか、その方法を学ぶこと」。
愛することとは、どういうこと?気に入ること、 大切に思うこと、優しくすること、尽くすこと、許すこと、守ること・・・。わたしは愛することを甘えることと大きく勘違いしている人にくたくたにされたけど、愛に対する価値観が最初から違っていれば、理解し合えるわけがないんだよね。これにようやく気が付いたら、全てのいざこざがはっきりした。わたしは愛することの基本は、相手を認めることだと思う。認めたくない人は嫌いな人ってことだもん。
人を愛する前に、自分を愛してあげなくては。惨めな自分に対して、哀れんであげる。がんばった自分を誉めてあげる。自分自身を愛せなければ、人を愛せるわけがない。でも、これにも限度が必要。際限なく自分を哀れんでいれば、いつまでも自己満足に浸っていたら・・・人を愛せるわけがない。
「暗黒の世界」からはい上がってきてから、涙もろくなったように感じる。すぐにビビビッと琴線が触れてしまう。映画の予告編の数分でうるうるする。参ったなぁと思っていたけど、悪いことじゃないみたい。それに恥ずかしがることもないんだよね。
わたしは輪廻転生信者で「死=全てのお終い」とは考えないけど、キリスト教的考え方では死というモノはとてつもなく恐ろしいことなんだろう。その恐怖を前にして、たどり着くところが「愛」。今の時代、もっともっと愛について語られるべきなのかもしれない。死を目前にするもっと前に、きちんと。それを伝えたい為に「火曜日の講義」が行われたんだから。
ついでのときに、この本の原書を手に入れようと思う。別 宮先生の訳は素晴らしい。だからこそ、モリー先生がどんな英語で話したのか、是非触れてみたい。
小さな貝殻―母・森瑤子と私 小さな貝殻―母・森瑤子と私
マリア ブラッキン, Maria Brackin


わたしの大好きな作家、森瑤子さんの次女、マリアさんの本。彼女が22歳の時に母を亡くして早8年。わたしもまだ森瑤子さんの死去のニュースのショックは忘れられない。前年の暮れに静岡に戻ってきてしまったが、東京にいたなら葬儀に行きたかったと今でも思う。
そんなあこがれの女性、森瑤子の「伊藤雅代」そして「ミセスブラッキン」としての姿をマリアさんが書いてくれた。ショックだったのは、「ミセスブラッキン」としての彼女があまりに幸せではなかったということ。作家として「森瑤子」が売れ始め、暮らしが豊かになると、家族の関係が微妙に変わってくる。彼女が一家を支え、家族を養う。夫には欲しいというものを買い与えてしまう。夫が理想の男性でないと気がついて、どうして、どうしてそれでも別 れなかったのだろう。わたしは夫に失望して見切りをつけたら別 れてしまう。(しまった。)
離婚するということは、自分の否を真正面から認めなくてはならないので、とても辛い。誰だってその人と幸せになろうと思って結婚する。最初から離婚するつもりで結婚する夫婦なんてめったにない。それなのにこのざまは・・・と気がついたときのショック。それでもどうにか維持しようとする。神様の前で誓ったし、この人となら、と思って一緒になったんだから。大丈夫、大丈夫、わたしがしっかりすれば、きっとよくなる・・・。しかし、この世の中に自分の努力だけではどうしようもないことがあるということをとうとう知る。連れ添いが、自分の選んだ人が「人の努力を無にする人」だったんだと気がつく。そのときのショック。そして、自分の選択が間違っていた、自分を選んでくれた人がどうしようもない人だった、そんな男にわたしは選ばれた。それがどれだけ屈辱的なことか、情けないことか。それを自分で認めなくてならないのは、本当に辛いことなのだ。プライドはぼろぼろに砕け散る。またゼロから始めなくてはならない惨めさ。でもそうしなければ、わたしがわたしでなくなってしまうと思ったから、そうした。努力しても報われない世界では、わたしの命の炎は消えてしまう。暗黒の世界。とにかく光が欲しかった。わたしでもしたことを、どうして彼女はしなかったんだろう? 子供がいたから? 失礼だがそこまでこだわるほど、母親にこだわっていたようにもマリアさんの文章からは思えない。シングルペアレントでも、きちんと愛してあげれば普通 に育つ。父親としては立派な人だったのだろうか。きっとお金が解決する面 もあったのだろう。
生活のフラストレーションが彼女の作家としてのエネルギーだったとしたら、あまりにも悲しい。彼女の文章が光り輝いていたのは、「鶴の恩返し」の鶴のように、命を刻んで書いていたからなんだ。心から感謝したい。
わたしは森瑤子の世界はいまでも大好き。彼女の言う「大人の女」を今でも目指しているんだと読み終わったあとに気がついた。
Penguin Readers Level 6: the Beach (Penguin Readers S.) Penguin Readers Level 6: the Beach (Penguin Readers S.)   Alex Garland

そう、レオ様主演の同題名の映画の原作。
読みやすいです。(リズムが良いってことかな?)
分からない単語もたくさんありますが、辞書ナシで読み続ける。分からないところは想像する。こうやって、読むことで英語、強いて言えば英文法を感覚で掴むことができるようになるんだ! と思っています。(気がついた、ということで、決してなったわけではありません。)
少女はなぜ逃げなかったか―続出する特異事件の心理学 少女はなぜ逃げなかったか―続出する特異事件の心理学

著者は自身のHPで社会事件を心理学的に分析をしている新潟青陵大学教授。
マグネット マグネット 山田 詠美

時計を外す仕草って確かにサマになるとセクシーだ。
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